萬徳寺新聞令和八年度第一号電子版

萬徳寺新聞

行事報告

 今年も毎年恒例報恩講を十二月の二十三日から二十五日までの期間に開催しました。参拝された方々はお気づきになられたかもしれませんが、今年の萬徳寺の報恩講は新しい試みを幾つか導入しておりました。たとえば、毎年二十日の餅つきの日では、MK精工の餅切り機を導入し、作業効率を大幅に改善させました。従来のくり抜きながら餅を作る方法では屑餅がどうしても発生してしまうという欠点はありました。そのため、屑餅を再利用した質の悪い餅を作らざるを得ませんでした。しかし、餅切り機を導入したことで屑餅の発生がゼロになるため、今年は表面がツルツルとしたお餅が沢山できました。作業時間も短くなりました。

 また、お斎と読経の間にあった虚無の時間があるために、門徒の皆さんに退屈な時間を過ごさせてしまっていたことを反省し、今年からお斎と読経の間に浄土真宗に関するビデオを上映することと致しました。ただ、ブラウン菅の映像のためであったせいか、いまいち食いつきが期待したほどではないと感じました。日豊(大分)教区の歴史をまとめたDVDを最近別院から購入しましたので、プロジェクターも別院から貸し出していただき、来年はそちらを流してみようと考えています。トヨタ式のカイゼンというやつです。

 二十三日では、初めてこの新聞の著者である若住職の私が法話をする機会となりました。「報恩講の大切さ」をテーマになるべく仏教語や専門用語を廃して単純明快に伝わるような法話を心掛けた結果、多くの門徒さんに好評していただけました。聞きに来てくださった方はありがとうございました。

 そして、今年ご奉仕に参加していただいた岩崎・橋津・日足の門徒の皆さんに厚くお礼申し上げます。

コラム

横超の大誓願

 親鸞聖人は『愚禿鈔』という著作を残しておられますが、その著作のなかに先ほどふれました「横超」という教えが示されています。一口に仏教というけれども、その内容は四つに分けて見ることが必要であると教えておられるのです。

 まず仏教の全体を「竪」と「横」の二種に分けられます。「竪」は、順次次第に従って段階的に一つの方向に進もうとする方法をいいます。つまり、自力・聖道門の仏教です。「横」は、順序段階を経ずに一挙に最終目的を達成しようとする方法です。すなわち他力・浄土門の教えです。

 そして「竪」と「横」に、それぞれ「出」と「超」の二種があるとされています。「出」は、迷いによって生ずる苦悩からの脱出をはかって、やがて覚りの安楽に到達しようとする教えです。一方の「超」は、迷いの身のままに、一挙に覚りの境地に達しようとする教えです。

 この「竪」「横」と「出」「超」とをそれぞれに組み合わせますと、四つに分類できるわけです。その第一は「竪出」ですが、永い永い厳しい修行によって徐々に仏の覚りに近づくと教えられている自力・難行道のことです。第二は「竪超」ですが、強靭な菩提心によって修行に励み、一挙に仏の覚りを体得するという教えです。これももう一つの自力・難行道です。第三は「横出」です。これは困難な修行によるのではなく、念仏によって一足飛びに浄土に往生して仏の覚りを得ようとする教えです。他力・易行道です。往生は阿弥陀仏の本願力、すなわち他力によるのですが、この場合は、自力によって他力にすがろうとする教えなのです。つまり自力の念仏です。第四が「横超」です。これは一切のはからいから離れ、ひたすら『仏説無量寿経』に説かれている阿弥陀仏の本願に帰依して、阿弥陀仏の浄土に往生させていただこうとする教えです。如来よりうたまわっている信心、いただいている念仏です。

(古田和弘『親鸞の「いのちの歌」正信偈入門』)

 

仏教用語毎号一語

【今号の一語】

 修正会

 毎年正月に勤修される法要。一般に鎮護国家と聖体安穏を祈願する法会とされる。東本願寺では一月一日から七日まで行われる。一日には親鸞聖人の御真影の前に用意される大盃に門首がお屠蘇をお供えする儀式である献盃の儀 がある。お屠蘇は法要後に参拝者に振る舞われる。

定期連載

「若院の呟き」

 十二月二十三日の法話の要約①

 報恩講は、親鸞聖人の三十三回忌、西暦で一二九四年に本願寺三代目門首の覚如さんが始めたとされています。門首は本願寺におけるリーダーにあたる人を指し、親鸞聖人の直系の一族が就任します。覚如上人は親鸞聖人に会ったことのない初めての門首でした。周囲の僧侶や門徒の間で親鸞聖人の存在が薄れていくのを感じ取ったのかもしれません。

(続く)

 

仏教QA

【質問】

 法名の前にある「○○院」とは?

回答】

 それは「院号」という尊称です。真宗大谷派では、明治期に御陰堂・阿弥陀堂を再建するにあたり、法義相続・本廟護持を願いとして相続講制度という、必要な経費を僧侶・門徒全体で支える仕組みを設けました。以来、今日までひろく法義相続・本廟護持にご尽力くださった方々への賞典として院号が送られています。

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